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MADBUNNY「ART OF GETTING OVER」作品全解説



chignitta spaceオープニング企画として行われた MADBUNNY展覧会「ART OF GETTING OVER」。本人自ら「もう二度とできない」と言った、今回のアートショー。MADBUNNYの作品とともに、彼自身のルーツである様々なガジェットとスタジオを丸ごと引っ越しさせるという壮大なインスタレーションになりました。会場で作品と、そのアイテムの一つひとつを本人に解説してもらいました。会場でご覧になった方も、そうでない方も、MADBUNNY創作の源泉に触れることのできる写真とインタビューをお楽しみください。MADBUNNYのアート作品は、chignittaのオンラインで販売準備を始めています。今しばらくお待ちください。


 

MADBUNNY – SOLO EXHIBITION – 『ART OF GETTING OVER』


【日程】2021年6月25日(金) ~ 7月4日(日) 【会場】chignitta space (チグニッタ・スペース)
chigntittaでの展覧会に至るまでのストーリーも大切なショーの一部です。 彼のFacebookをご覧ください。

 


オープニングは一日中バニーファンで賑わった。

ギャラリーの向こうには靱公園の緑が映える。


FRUITS BASKET

僕のポップアートに対するオマージュです。スカルをモチーフにすることが多いので、そこに可愛いフルーツをいれました。ストライプやドットがグラフィカルに効いていると思います。この作品は色の指定ができます。スパンコールもいつもより多めに振りかけました。



HIGH-BRID VACCINE FACTORY

この作品は、鎌倉のショーの前日ぐらいに完成しました。東ドイツのインジェクションと針です。古いものです。瓶自体は医療系の具材屋さんで買えます。HIGH-BRIDというシールを貼り、ラメとゼリーを注入しました。ワクチンが足りる足りないなんて言われていた時期だったので、そういうのを捩って作品にしてみようと思ったんです。注射器は5、6年前に現地のマーケットで見つけて買ってて、今、使う時だな。と。ベルリンにいるので。注射器は普通に道に落ちているような街ですから身近です。



The End of Overdoze Holic

もう15年ぐらい作り続けているモチーフです。シルクスクリーンの版はずっと同じものを使い続けいるのですが、2011年の震災の時に事務所も結構揺れて倒れちゃって、版が切れちゃって、それをテープで直してそのまま使ってます。20刷りぐらいはしたでしょうか。いまはお客さんが花の色を決めて、僕が作ってというオーダーが人気です。花の色はステンシルで入れてます。(と、絵に足の長い蜘蛛が絵に止まってるのを発見)いつもそうなんです。フジロックでもそうなんですけど、カラフルな絵って結構虫が止まるんですよね。フジロックでも蝶々とかトンボがすごい止まるんです。花に見えるのかなんなのかわからないですけど。



HONEY TRAP

本物のお金にシルクスクリーンでプリントしました。ハニートラップそのまんまです。BYSDNTCRYのブランドコンセプトなので、セクシーなモチーフは作品に多いですね。そのセクシャルなイメージも僕の表現する「生と死」のイメージにつながっているんで。この柄のTシャツも展開されています。



MAYHEM

今回最大の問題作です笑。結構言われました「なんであれだけタッチが違うんですか」って。これは息子メイの作です。ドローイングもスプレーも全部。たぶん何日かかけて描いてると思います。スタジオには道具がいっぱいあるので。パパの仕事を手伝いたい、っていうのもあるんでしょうね。キャンバスにジェッソ塗って渡して、好きに描いていいよって。今も何作か描いてますよ。笑。なんか、気分があるみたいです。「今日はこれの続きやろう」みたいな。描いてる時は集中してるので。おとなくしていいですよ。笑。


中央に見えるステンシルがMADBUNNY最初の版下

MADBUNNY

このバニーアイコンは、2005年にロンドンで作って、初の個展で発表したのがスタートです。「MADBUNNY」という名前も僕がつけたのではないんです。初めて個展がロンドンだったので、在廊しながら来た人全員のポラロイドを撮ってたんですよ。で「なんか書いてって」みたいな。その時は自分のアートショーがロンドンでできるなんて思わなかったんで、何かを記念に残そうとしたんです、そしたらそのポラに「Hello MADBUNNY!」て書く人が何人もいて、それ面白いなと思って「MADBUNNY」を名前にしたんです。そのギャラリーには他の有名ギャラリーのオーナーも来て、「MADBUNNY来年うちでやれ」とその場でオファーを受けて今につながっています。最初の版下がここにあります。最初はステンシルだったんです。真ん中のスカルは無くなっちゃったんでしょうね。笑。これをスキャンニングしたものを版下にして、ここからはこのロゴは一切いじってないです。デビュー作にして完成型ができていたんですね。ショーまで全然時間がなくて、最後の最後にこのロゴを作りました。



MADBUNNY

これまでに、もう何万枚ステッカー配ったかなー。笑。このバニーがあって今の僕がありますから。一番最初はアートギャラリー でこれを発表して、当時から僕はアパレルのブランド(UG)をやってたじゃないですか。スケボーやスノーボード世界でもかなりハードコアなブランドだったので、最初はお店の人から「なにこんな可愛いの、売れないよ」ってすごい言われて、だからそれがわからないんであればブランドを分けよう。と思って「UG」とは別に「BYSDNTCRY」を作ったんです。今はもう、これつけないと売れないという。笑。

ショーの当日(2005年)ロンドンのテロがぶつかったんで、僕のギャラリーもポリスラインの中だったし、ギャラリーにも行けないという。ギャラリーがBBCの基地みたいになっちゃって、犯人の一派がギャラリーの近くで捕まったんです。立て籠ってて。朝ギャラリー行ったら「入れません」って、笑。そんな思い出もありますね。



R18+ MOSAIC

COVIDでディスタンスな時代ですから、わざとバニーをモザイクにして、遠く離れたら見えるというイメージで作ったんです。近くに行くとデジタルでボケてるけど、遠くに行くとちょうどいいという。そのくらい離れてくださいねと言うメッセージです。



LIKE A VIRGIN

「BYSDNTCRY」らしい世界観です。ちょっとタイトルも皮肉って逆版にして、イチゴをつけて幼い感じのバニーが誘っていてでも目線がはいってて。これも震災の時に版が潰れちゃったのでもう作れないので、また版を作り直さないとできない作品です。かすれも含め版下のところでスプレー感を出しています。


DEAD CHAPLIN これは二枚セットで、一枚は悩んでいてて、一枚はこれです。コメディアンも悩んでるんだよ、ってやつです。


BUNNY FEVER

もうフジロックには欠かせないアイコンとなっている「BUNNY FEVER」です。 「ボードウォーク」っていう入り口からずっと奥まで行く森の小径が長いので、そこを全部と、一番奥のステージのまわりにバニーのガーデンをつくるのでそれに足りるくらいの量を作るので、毎年大変です。去年フジロックがなかったので、苗場にSMASH UKの倉庫があって、このバニーたちは倉庫に置いてあったのですが、水没したという情報を聞いて「ヤバイ」ってなって見に行ったら、ほとんどカビて腐っちゃってて。こいつらは積み上げて上のほうにいたやつなんで、助けてきたんです。笑。なので、これにプラスしてあと200ぐらいは新しく作らないと。前の年に何羽残ったかで、今年は何羽作るか決めてます。今年は8月。でもUKチームが来れないんで、孤独な作業になりそうです。


MADBUNNYのスタジオがそのまま引っ越してきた会場。そんなアイテムを一つひとつ見ていこう。

これはベルリンのマガジンで「LOWDOWN」です。2006年の本ですね。僕の初期の作品が載ってます

2メートルぐらいの透明のキューブに、もう乗らなくなったスケートボードをポストみたいに入れる作品とか、前のスタジオにあったミニランプに青空をペイントしたやつとかね。マーロックっていうアーティストがこの本を作っていて、パートナーが日本人だったんですよね。で、インタビューさせて欲しいって言われて、載せてもらったんです。

パパママメイの革ジャンです。真ん中のママの革ジャンはロンドンの手作りなんですよ。鏡になってて。可愛いんです。

ライカのビデオです。テープは多分中に入れるんです。ガチャっと。レンズも変えられて。撮ったことないです、フィルムがないので。可愛いですよね小さくて、

東ドイツのぬいぐるみで、映画「グッパイ、レーニン!」の中にも出てきます。ドイツの人なら、お婆さんでもこのぬいぐるみを見ると「懐かしいわねー」って言う。なかなか見つからないんですよ。僕もこれしか持ってなくて。隣も有名なベルリンベアDDRです。

東ドイツの電話。

僕の愛車トライアンフのパーツです。


レモネードなんですよ。世界ワンツーぐらいにカフェインが強いっていう。ベルリンなんでクラブとかで日中みんな飲んでます。これとかやばいです。「コーヒーレモネード」ってどんな味?みたいな。カフェインの問題とかあって日本では飲めないです。これもそう「クラブマテ」ってマテ茶なんです。クラブでみんなビールも飲むんですけど、みんなこれにウォッカのショットを入れたりして。ちっちゃい瓶のウォッカが売ってるんですよ。それをみんな混ぜてね。長いんですよクラブのパーティが。でかいイベントだと普通に74時間とかぶっとおしなんで。コーラを飲んでるやつとかいないんですよ、みんなこれ飲んでるかビールを飲んでるかです。でもね、美味しいんです。笑。僕もベルリンでアートショーの設営もビール飲みながらやってるんですけど、ビール疲れしてきたら、こっちを飲んだりね。ぼくも気に入ったら毎日飲んでるんで。近所の人も「アキ、それ毎日そんなに飲んでたら死ぬぞ」って言われたり。笑。



世界を旅したRIMOWAのトランクです。これが一番古いやつです。ずーっと一緒ですね。壊れちゃってて、もう捨てられない。15年は一緒に飛んでます。

ロンドンの変なパフォーマーがいて、フジロックに来てたんですけど、僕のバニーとこれを交換しようって言ってきて、双子の女の子が作ってるんです。



ピーナツ缶です。裏を開けてピーナツを入れて、ただそれだけなんですけど、でも可愛いから。あのペンギンは紅茶を入れるんです。くちばしの溝にティーバックをかけて、カップの中に落としておくと、タイマーになってて、時間が来ると、チーン!っていって上にあがって。テーィカップの種類を間違えると全部こぼれちゃうというね。笑。





ドイツのビールもいろいろあるんですけど、ご存知のように僕、毎日飲むじゃないですか笑。これがピルスナーで飲みやすくて、僕は好きなんです。1本100円ぐらいです。「ベルライナーキンドル」っていってロゴの中に子どもがいるんですよね。で、それが可愛いなあと思って。最初ジュースかなと思ったんですけど、このロゴでなんでビールなんだろって。笑。そこのジョッキも集めてて、広告がついてて、お店で記念で出したりとか。




ライカのヴィンテージケースです。三脚はチェコのものです。機械っぽさが好きだから。トライアンフのビンテージと通じるものがありますね。

黒くて大きいのは、はカルマンギアのマフラーです。EMPIっているカルマンギヤやフォルクスワーゲンのサードパーティなんですが、僕がカルマンギアを買った時にこれがついてて、マフラーを新しくしたんだけど捨てられなくてずっと持ってて。これもすごい有名なドイツの銀行(Dresdner Bank)のキャラクターで、有名なデザイナー(ルイジ・コラーニ)がデザインしたものです。下のはベルリンのナンバープレートです。



このストラップはアルティザン・ アンド・アーティストとMADBUNNYのコラボで、今作ってるんです。


これはフジロックのキャラで「ゴンちゃん」っていうんですけど。ゴードンって人が日本に来て10日ぐらい前から川で石拾って、乾かしてペイントして、顔を描いて、また川に戻すというアートで。もう何百個と川にいるし、ちっちゃいのもいるし、運べないほど大きいのもいるんです。

SMASH UKのアーティストはみんな面白いですね。みんな自由だから「〇〇ぽい」てのがないので、WIMもいるしね。


フジロックでのゴンちゃんのアート。


これは僕が飼っていた猫で「ミー」です。野良猫だったんですけど、パパとママがうちの庭に棲んでて、ずっと一緒で毎年生まれるんですけど。可愛いねって育ててたんですけど、あるひ後ろ足をびっこひいてて、かわいそうだからって保護して、病院に連れて行ってたりしたんですけど、病気になっちゃったみたいで、生まれて数ヶ月ぐらいで死んじゃったんですよね。僕の胸の上で。

青い瞳に、目の隈取りが超可愛いですね。デスメタルみたいでしょ。笑。ママが真っ黒で目が黄色「キャッツ」なんですよ。パパが白くてこの子が生まれたんです。



これアンプです。「オレンジ」ていう。イギリス製です。マーシャルとかそっちじゃない感じのやつです。僕がライブで使うベースアンプはプロ用でもっとでかいやつなんですけど、でもこのサイズで500ワットあるという。ちょっとした箱でのライブならこれとキャビネットがあれば全然大丈夫です。




「SLAM CITY SKATES」っていうのと「ROUGH TRADE」のマグです。これは一緒の店で、1号店の1階がスケートボードショップで地下が「ROUGH TRADE」だったんです。経営者が友達二人で、出した店なんです。両方とも会社が大きくなって、それぞれ引っ越して、お店はなくなっちゃったんですけどね。カッコ良かったです。スケートボードショップで地下に降りたらレコード屋さんっていう。ロンドンぽかったですね。コベントガーデンでした。当時はコベントガーデンとノッティングヒルにあったんですけどね。今「ROUGH TRADE」はブリックレーンに超でかい店があります。



ヴィンテージの「フラマス」のベースです。今、ハイパワーのベースで言うと「ワーウィック」というメーカーが有名ですが、それの元の会社です。いまの社長のお父さんがはじめて、それがワーウィックになったという。めちゃ華奢なベースで、ドイツでも楽器博物館とかにあるようなヴィンテージです。音はたまに出してます。短いし、ネックも細いし、軽いし、ストーンズのビル・ワイマンモデルとか、ここから出てたんです。当時のビル・ワイマンはフラマス弾いてました。かわいいんですよ。しかもピックアップが動くというね。



「BYSDNTCRY」の象徴ともいえるヴァイブレーターです。ドイツの「ファンファクトリー」というブランドのものです。都会のど真ん中にガラス張りの大人のおもちゃ屋さんがあって、ご夫婦で手を繋いで入っていって「どれにする?」みたいな。そういうのが普通で、性に対してすごいオープンなんです。キャッチフレーズがいいですね「LOVE YOURSELF」ってのがね。全部かわいいんです。色もこんな感じでいろいろあるし。




WOOD CUT PORTLAITS は、タトゥーの彫師でアレックス・ヴィーニーという人がいて、その人の本なんですけど、版画も作っていて、僕のタトゥーを入れてくれた人です。タトゥーでは世界で知らない人がいないぐらい有名な重鎮なんですけど、ロンドンで一番みたいな。で、WIMが僕の手にマジックでアートを描いて、アレックスが彫ってくれたんです。有名なんで、僕10年ぐらい通ったんですよ。スタジオに。でも、彫れてくれないんですよ。巨匠は。いきなり来ても、スケジューもいっぱいだから、で、ロンドンでアーティストのWIMと知り合って、彼のスタジオに一緒に住んだりしてたじゃないですか、で、「あそこでタトゥー彫れたいんだよねー」なんて話したら、WIMが「あいつ友達だよ」って電話してくれて「俺の日本の親友がいて、彫れたいんだってよ」って言ったら「じゃあ明日来い!」ってなって。笑。俺の10年はなんだったんだっていうね。笑。で、WIMの版画も入ってるっていうね。











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