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5.17 agoera 個展「ENGRAVE」ギャラリートーク



6月17日からチグニッタでスタートしたagoera個展「ENGRAVE」。ギャラリートークをお届けします。agoeraさんの作画の秘密、名前の由来なども語っていただきました。


インタビュー動画はこちら


 


agoera 個展「ENGRAVE」

期間:2023年6月17日(土)〜25日(日)会期中無休

会場:チグニッタ(大阪市西区京町堀1-13-21 高木ビル1階)


 


ギャラリートークの模様

本日はご来場いただきありがとうございます。

agoera個展、オープニングから、同業者の方がたくさん会場に来てくださってますね。

皆さんインスタを見てきてくださっているみたいですね


agoera_そうですね、ツイッターとインスタが多いですね。


大阪展示も5年ぶりということもあり、原画を観たいという人がたくさん来てくださって、やっぱり原画、いいでしょう?実際にどのように描いておられるのか、そんな話も聞いてみたいと思います。


agoera_よろしくお願いします。


agoerasさんがイラストレーションの世界に入るきっかけはなんですか?


agoera_僕は、多摩美卒なんですけど、もともとはデザイナーになるつもりで、グラフィックデザイン学科だったんですけど、授業で結構描かされるんですよ、絵を。最初からデザインでパソコンとかじゃなくて、1、2年生はずっと絵の具とか、鉛筆デッサンとか、そういう授業が多くて。


結構基礎しっかりですね。


agoera_そうですね。叩き込まれる感じでした。僕は現役で入って絵は下手くそだったんですが。そこで多少技術が養われたのかな。アクリル絵の具で描いていうるちに絵が楽しくなりまして、結局デザイナーにならずに、イラストだけでやろうとなりました。

就職活動も全然せず、父親も自営業なので多分、サラリーマン的な働き方のイメージが全然できてなかった。ちょっと逃げようというのも半分、ありました。就職しないでバイトしながら、イラスト塾も行ったりもしながら、プロを目指していく感じになりました。


売り込みとかも結構いろいろしなきゃいけないでしょ。今はネットで完結できちゃっていると思うんですけど。


agoera_かつてはA4のファイルで印刷したのを入れて、持ち歩いたり、イラストコンペに出したりしてました。最初の2年くらいは全然入らなかったんですけど、そのあと、ちょこちょこ入選するようになりました。コンペも、ある程度戦略もあって、デザイナーの審査員の時を選んで送るようにしました。イラストレーターが審査員だと、入ったら嬉しいけど、同業なのですぐ仕事には繋がらない。デザイナーの審査員さんのコンペで、ちょっと引っかかったら、その人にアポ取るんです。その人も選んだ手前、無下に断れないので。笑


最初に仕事になったのは、重松清さんの小説の装画でした。ちょうどその仕事をデザイナーさんがやっておられるタイミングで僕は原画を持って行ったんですね。「昨日、描いたやつこれです」って言って見せたら気に入っていただいて。最初は写真を使う予定だったらしいんですけど、その絵を使っていただけました。



当時から今のようなスタイルの絵を描いておられたんですか?


agoera_そうですね。絵の具も画材も同じで。2011年からですから、10年くらいですね。一つ仕事ができるとそれが呼び水になって、段々と仕事が増えていくようになりました。


装画から始まって、今、仕事の幅はどんな感じですか?


agoera_ここ数年、結構広がってきて、パッケージとか、広告だったり、最近は雑誌関係が結構増えました。


僕はagoeraさんの作品をインスタグラムで知ったのですが、最初に観たときの印象がいつまでも記憶に残っています。先ほどのファイル売り込みの時代から、発信の仕方も仕事の受け方も変わってきたんじゃないですか?


agoera_最近の自分の仕事サイクルでいうと、個展をすると作品を新しく描きますよね、それをインスタグラムとかTwitterで流すと、デザイナーさんが観てくださって依頼をくださるみたいな流れがありますね。SNSには仕事の成果を上げるより、自分の好きに描いた作品を上げていく方が、仕事につながっていく感じがしますね。


職業イラストレーターとして、依頼されて描く作品と、個展で描く作品で描き方の違いはありますか?


agoera_個展だと「買ってもらう」というのがゴールとしてあるので、飾りやすいものというのを意識はしなきゃいけないんですけど、本の装画だとタイトルが入ったりとか、そういうスペースを意識して作ったり、そういうアプローチの違いはありますね。


デザイナーが文字を入れたくなるような。


agoera_そうですね。気を利かせてやらなきゃいけないのも結構多いですね。


展覧会では、ウッドパネルというベニヤのパネルに直接描かれるスタイルなんですね。


agoera_以前は、ベニヤの平板で展示をやってたんですけど、パネルの厚みがあるほうが立体感が出るので、最近はそうしています。あと、額装しちゃうと、ガラスの反射とかで作品にフィルターがかかるというか、観づらい部分があって、僕はそれがあまり好きじゃないので。



今日初めてagoeraさんの原画をご覧の方も多いと思うのですが、透明感というか光の具合みたいなものが、すごく効果的に描かれる手法だと思うんですけど、その辺りの作画テクニックを教えてください。


agoera_まずパネルに、ジェッソを塗ります。基本的には、白い部分は重ねずに残して、ジェッソの色のまま、暗いところに色を重ねるという感じの塗り方です。その方が白の発色が出ると思っています。


描き切らない感じというか、淡い色彩ですね。


agoera_そうですね。基本的にはそのものの立体感、ディテールはちゃんとわかるように描くんですけど、できるだけ描きたくなくて、正直言うと、もう、飽きたらやめる、みたいな。これ以上はいいな、というのが、直感的にわかります。


やめ時を図ってる感じですね。


agoera_そうですね。これ以上やると野暮だな、という前にやめたいです。


今回は風景や静物がモチーフとして多いですね。絵の素材集めはどうされてますか。


agoera_普段からiPhoneで写真を撮りためています。日常をあまり考えずに撮っておいて、描く時に、見返します。描くために撮るとなると、これ描いたらウケるなっていうことをやり始めちゃいそうなので、結構打算的になりすぎちゃうというか。


じゃあ、ほぼ自分の身の前に起きた出来事なんですね。


agoera_そうですね。この「breakfast」は、奥さんの実家で出てきた朝食です。今回は特に日常のモチーフっていうのをテーマにしました。

この夜の景色、昼の景色が今回のメインですね。


agoera_昼の方は自宅のベランダから見える風景、夜は非常階段からの景色です。日常を描き残す、という意図が強かったので、自宅からの風景を入れました、

agoeraさんの作品でも人気なのがこの一戸建ての家シリーズ。郊外の高級住宅のようななイメージですが。


agoera_これはGoogleのストリートビューで、アメリカの家が存在感がいいなと思って。日本の家だと隣の家に挟まれてるので、家を象徴的に描くとなると海外の家だなと。絵を描いていてると、筆が止まったり、悩んじゃうことがあるのですが、このシリーズは、迷わなくても、描けちゃうモチーフなんです。

こちらの青い空の絵もアメリカの家ですか?


agoera_これは、東京の目白です。以前、近くのギャラリーで展示をして、いい感じだったので、写真を撮っておいて。


見た感じでわかりました。


agoera_日本はどうしても塀があったりして描いちゃいけない感じがするんですけど。アメリカの家は「描いてくれ」って言ってる感じがします。笑

今回のタイトルは「ENGRAVE」と付けられましたが。「刻む」とか「刻印」って意味ですよね。


agoera_そうですね。筆で絵の具で描く行為が好きで、この仕事をやっているんですけど、筆で一筆一筆重ねることが、自分的には彫刻のような感じに近いかなあ。僕の感覚なので共感してもらえるかどうかわかりませんが。あと、今回、自分の身の周りをモチーフにしていまして、日常を記録する感じが「刻む」という行為に近いかなと。


描くことで記憶を留めるかんじですね。


agoera_そうですね、それはとても私的なことなんですけど、私小説みたいなものもありますし、自分に近いモチーフでも共感してもらるといいなと思っています。


aogeraさんの絵には「ドヤ感」がないんですよね。日常の断片のようなものをささっと絵筆でとどめるようなアプローチがとても素敵だから作品を観る人にもその魅力が広がっていくんでしょうね。


agoera_あまり描きこみすぎないように、中心をあまり説明しきらないほうが誰かの記憶と重なるんじゃないかと。曖昧なところも残しつつ、絵を仕上げられればいいなと思います。参加者からの質問

agoeraさんは、絵の説得力ってどう言うところにあると思われますか?


agoera_その質問、めちゃくちゃ難しいです。笑。説得力かあ。


agoeraさんは、絵を描いてて、これでいけるな、みたいに思う瞬間みたいなものがありますか?


agoera_ああ、それはありますね。最初は描いてて、感覚的に違うなっていう感じがあって、なんで違うんだろうなっていうのを言語化しようとすると、できる時もあるし、できない時もあるし。


さっきもおっしゃってた、「絵の止め具合」っていうのもあるのですね。


agoera_自分の中で一つあるのは、自分で「焼き増し」をしはじめた時は、僕の中で「ナシかな」っていうのが結構あって。以前に評判良かった絵をもう一回描こうとすると、なんだかコピー品ができたような感覚になってしまって自分の中であざとくなってくる。それは、絵を見る人に伝わる部分もあると思うんで、その時はボツにすると。


売れてくると「あの時あの絵みたいなやつ」って言われますよね。


agoera_そうですね。あれはあの時だけみたいにしないと、こっちも疲れちゃう。あくまで自分のやりたいことをやるというのが大前提なので、そこは崩さない。


今回、正方形の作品が結構多いですね。僕はポラロイド写真のイメージなのかなと。正方形の画角っていうのも一つのこだわりとしてあるんですか?


agoera_インスタが正方形なんで、インスタに載せやすいというのもあって。個人的には絵の比率は正方形の方が安定するというか、飾りやすくなるかなという印象があります。

参加者からの質問

agoera(アゴエラ)さんの名前の由来について教えてください。


僕も聞きたかったです。このお名前とインスタのアイコンで、女性だと思ってるひと多いんじゃないかな。


agoera_あ、それよく言われます。昔はもっと痩せていたので今はそれほどじゃないんですけど、顎とエラからきてます。


へえーーっ? (全員)


あだ名だったんですか。


agoera_高校生の時に部活の自己紹介で、チャームポイントみたいなのをやったんですよ。で「チャームポイントはアゴです」って。そこからあだ名が「アゴ」になっちゃいました。


へーっ。面白いですね。聞いてみないとわかりませんね。


agoera_本名は「伊藤」なんですけど、平凡すぎてよく「鈴木」だとか言われて覚えてもらえなくて、なので絶対覚えてもらえるような名前にしました。


SNSで顔出しはいいんですか?


agoera_大丈夫です。名前をググって画像検索すると僕の顔出てくるので。でも普通みんなそこまで調べないですけどね。先入観で女性と思われているのもまあ、面白いかな。年齢ももっと若いと思ったと言われるのも楽しいです。






参加者からの質問

私も女性だと思って騙されたうちの一人です。笑

自分のスタイルに迷いが生じたり飽きたりっていうことはありますか?


agoera_ありますね。

最近だとグラフィック的な表現が流行りだと思うんですけど、テクスチャー感があるような僕の絵は、流行りではないかなと思うので、流行りの方に乗りたい気持ちもあります。もっとフラットにしてみようかとか、いろんな葛藤はありますね。自分の中でも軸はぶらさないけど、いろいろ試行錯誤はしています。


でも、僕は絵具と筆が楽しいので、そこは絶対にぶれないように。絵の具で描くっていうのは、今の時代、貴重というかかなりマイノリティな方になるので、逆に生き残りやすいかな、とも思います。あと30年、40年やっていかないといけないので。


中期、長期戦略はあるんですか?


agoera_これからは、海外の方でもやっていきたいなと。日本だけというよりは海外を含めた方が、いろいろなリスク分散できるかなと思っています。


今はSNSでどんどん仕事を取れるような時代になってきてますからね。

今日はありがとうございました。インスタライブをご覧の方にもぜひ原画を直に見にきてほしいですね。

 



現在、展示中の作品はオンラインでも販売しています。


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会場までのアクセス: 御堂筋線・四ツ橋線 本町駅28番出口から北に徒歩5分、四ツ橋線 肥後橋駅7番出口から南に徒歩5分


新型コロナウィルス感染対策に関するお願い:


・発熱、体調不良の方のご来場はご遠慮ください。 ・皆様に安心してご来場頂けるようスタッフの指示にご協力をお願いします。


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