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グループ展「You Want Some」ギャラリートーク



5月3日からチグニッタでスタートしたグループ展「You Want Some」。本点キュレーターの池田誠さんと一緒に、参加アーティストが自作を語るギャラリートークを開催しました。

インタビュー動画はこちら


 


「You Want Some」vol.7 Osaka

アップカミングなアーティストをグループ展形式で紹介するプログラムとして、キュレーター池田誠が立ち上げた企画展。”YOU WANT SOME”第7回目を Chignittaで開催!合計6名のグループ展です。
5月3日(水・祝日)~5月14日(日)
chignitta space (大阪西区京町堀)
OPEN 13:00~ 19:00(月曜休)
【谷口純弘 キュレーション】 fumika hasegawa / ナナナ / 久保木要
【池田誠 キュレーション】 TAKEUCHIATSUSHI / 金井淳 / 仁太郎

 


ギャラリートークの模様

本日はゴールデンウィークの真っ只中、チグニッタにお越しいただきありがとうございます。若手アーティストのグループ展「You Want Some」へようこそ。今回の展覧会は、フリーランスのキュレーター、池田誠さんとのコラボ企画です。池田さんよろしくお願いします。

池田:よろしくお願いします。

まずは、みなさんに池田さんを紹介したいので、自己紹介をお願いします。

池田:池田誠です。いろんな作家と二人三脚で仕事をしていますね。少しメンター的なポジションで、作家にいろんな助言をしながら展覧会をしたり、クライアントワークをしたりしています。あと、中国とか香港とか海外の仕事もやっています。やっと中国もコロナ後に本格的に稼働しだして、夏からショッピングモールの企画なども行います。元々ファッション誌のライターとスタイリストをしていましたので、その分野のキュレーションが強いかなと思ってます。

池田さん、今回の「You Want Some」ついて紹介してください。

池田:「You Want Some」って言葉は、昔、メキシコからアメリカに入国する際に前にいた女の子から「お菓子どう?」って言われた言葉で、なんかいいなと思って、いつか使いたいなと思っていたんです。僕の気になっているアーティストを「こんなのどう?」って見てほしいなと思ってつけた名前です。場所は東京、京都、福岡などいろんな場所で、たくさんの方の協力のもとでやっています。今回はチグニッタの谷口さんに協力していただいて、3人ずつ作家をキュレーションして展示しています。

この「You Want Some」も今回で7回目。これまでどんな感じでしたか?

池田:1回目は東京2回目は京都、続いて大阪、東京、福岡と各都市に作家さんを連れて行ってます。東京展では毎回楽しみしているというお客さんもいて「You Want Some」がブランド化していけたらいいなと思っています。



ナナナ:愛すること=生きること」をテーマに、日々生きていく中で感じる愛への不信感や矛盾、生きようともがく中で傷つけ合ってしまう不快感をポップに描き、肯定的に捉える事で「生きることへの執着に対する罪悪感からの解放」を目指して描いている。 https://www.instagram.com/nan_ana6/


今日は会場に作家が4人きていますので作品の魅力を本人から語ってもらおうと思います。まずは今日、博多から来ていただいたナナナさんをご紹介します。(拍手)

ナナナ:ナナナと申します。学校を卒業してからまだ1年しか経っていないので活動歴があまりないのですが、これからいろんな展示に参加していけたらと思っています。ずっと平面作品を作っていたのですが、1年前から立体も作り始めました。

立体作品はどのような素材で作っているんですか。

ナナナ:これはエポキシ樹脂というレジンとインキを混ぜ合わせています。最初に粘土で形を作ってからシリコンで型をとってそこにレジンを流し込んで作っています。

この作り方はどのようにして覚えたのですが

ナナナ:youtubeです。笑

すごいなー、youtueでできるんだね。


ナナナ「Born from scars」黄緑

フィギュアと描いてる女の子に共通するテーマがあるのですか?

ナナナ:傷跡を描くのが好きで「愛されること=生きること」というテーマで描いています、傷跡というのは痛々しいものなんですが、拒絶するとか無視するとかではなく、傷を受け入れて自分のものとしたいという考え方で描いています。絵の中にいるウサギは「Born form Scars(傷から生まれた)」という名前なんですけど、月のウサギは、クレーターに溶岩が流れ込むことでウサギになったので、いわば「月のかさぶた」なんです。この絵の中の女の子にもあざがあるんですが、絵の中にある月のあざと同じ色をしていて、重なっているんです。絵の中に飛んでいる流れ星が月にぶつかってあざになるので。生きる力が強い子が好きなんで、そんな子たち刺さればいいなと思います。



ナナナ「プロセラルム盆地にて」

ナナナさんは、博多のギャラリーで20代のクリエイターを集めた展覧会で知り合ったんですが、その展覧会のキュレーターの村上さんの熱いプレゼンがあって実現した今回の展覧会です。 村上さんも会場に来ていただいてますので、ぜひナナナさんについてご紹介ください。

村上:福岡でアルタスやギャラリーをやっている村上です。ナナナさんと知り合ったのが一年前の専門学校の卒業制作展で一番気になった作家の一人だったんですが、後で彼女と会うことになった時、第一声が「私はアーテイストになりたいんです」と僕に話しかけくれたので、うちがキュレーションする企画に参加してもらうことになりました。これまでうちの企画に3回ぐらい参加してもらっています。今年の8月に、1年経って初個展をやってもらうことになっています。

ナナナさんを知っていただいた業界の方からはめちゃくちゃ高評価で、「絶対この子は売れる」って、皆さんに言っていただいているので。大阪だけではなく東京海外、いろんなところで発表していきたいので、よろしくお願いします。



fumika hasegawa
空想空間をイラストレーションで表現し、色彩構成や版ズレなどシルクスクリーンの魅力をコントロールしながら作品制作を行う。

それではfumika hasegawaさんです

hasegawa:グラフィックアート、イラストレーターとして活動していますfumika hasegawaです。 私は普段空想的な空間をイラストで起こして、それをシルクスクリーンを使って作品を作っています。今回はビニールに使っているますが、アクリル板など透明な素材を選んで作品に仕上げることが多いです。今池田さんのキュレーションで南青山で個展をしています。

シルクスクリーンというと紙やTシャツにプリントすることが多いと思うのですが。hasegawaさんはどうしてビニールやアクリル板などの透明素材にプリントをしようと思ったのですか?

hasegawa:シルクスクリーンってもともと機械的な複製技法なのですが、人の手が加わることで、そこにアナログ的なディテールが加わって、独特の仕上がりになることが魅力だと思っています。デジタルとアナログの狭間を行き来することができるのではないかと思っていて。無機質的なものに、有機的な動きとか、空気感を与えたいと思ってこのような素材をつかっています。特にビニールだと、人が通るたびに揺れ動いたりとか、やわらかい動きをしてくれるのでそこのバランスがシルクスクリーンとの相性もいいし、自分が描くイラストとも空気感が合うと思っています。

イラストレーションというよりはセル画のような感じもするんですけど。プリント順番も通常のシルクとは逆で黒から先に刷ることになるんですよね、

hasegawa:やり方としてはセル画と同じなんですけど、素材の厚さ分だけ、見る角度によって版ずれが起こったりすんですよね、それも意味がある感じがするのです。

静物画が多いですよね。どういうテーマ設定されてますか?

hasegawa:1年前は人物も描いたりしていたんですけど、徐々にもっと生々しさを削ぎ落として空気を纏わせたいなという思いから人物を描かなくなってきました。元々自分がインテリアや建築に興味があったので自分がアウトプットするものにも反映されているのではと思います。

確かに描かれているもののセンスもいいですよね。水差しであったり、花瓶であったりね。



fumika hasegawa artwork
作品購入はこちら


池田:僕がhesewasaさんに会ったのは昨年の「メタセコイアアートフェア」だったんですが、その後スタジオまで取材に行って、いま東京で個展をしていただいているのですが、個展ではアクリル板にプリントしたり、変形した木のフレームを使ったりと、シルクスクリーンに技法だけではない、新しい手法にチャレンジされているところが魅力的だなあと思いますね。

hasegawa:作品とプロダクトとインテリアの中間を狙うようなものを作っていきたいという狙いがあって、作品でもあるし、インテリアでもあるしその辺のバランスをいつも考えてます。



久保木要
京都精華大学大学院芸術研究科・修士課程陶芸領域修了。個展などに意欲的に取り組みクライアントワークなども制作。あまがさきアート・ストロール in -Lab 「Enjoy !」、「HappyCkuboki kanametion 」阪急梅田本店コンコースウィンドウなど


ありがとうございます。続いては久保木さんです。

久保木:久保木要です。私が出品しているのは、アクリル板の作品です。キャリアとしては高校から大学院まで焼き物の作家をやっていて、卒業してからアクリル板を扱うようになりました。焼き物を続けるのには窯とか設備が揃ってることがかなり重要で、卒業してからなかなかアクセスしづらくなったんです。元々グラフィックにも興味があったんですが、立体と繋がらなくて、ある時レーザーカッターを使う機会があって、やってみたらグラフィックと立体がうまく出会ったなと感じ、制作を始めるようになりました。画像だけだと伝わりにくいんですが、アクリル板が3層になっていまして、透明なアクリル板の間にカラーの板を切り抜いたものをパズルのピースのように嵌め込んで制作しています。

焼き物をやっていた時から「出土品」というテーマで製作を続けていたのですが、アクリル板素材を置き換えても、彫刻的な要素はそのままに、テーマも踏襲して「文明の痕跡」というイメージで作っています。有機的なものと無機的なものが合わさっています。

どうやって作ってるんですか?

久保木:手書きのラフ作って、それをイラストレーターのベジェに起こして、レーザーカッターで「アウトラインを出力する」という指示を入れれば描いた線の通りに切ってくれるので、それを組み立てます。

昆虫みたいだったりロボットみたいだったり、みんなユニークな形をしているのですがどんなイメージで制作するのですか?

久保木:ラフを描いてイラストレーターで制作するのですが、具象にも抽象にも寄りすぎないようにバランスをとりながら形を考えます。昔の土偶みたいに無機質な要素があると思うのですが、そう言ったものをこの作品にも活かそうと思っています。



久保木要「CALL_D_L」


なるほど、縄文土器の要素がこの作品にもつながっているわけですね。さすが陶芸をやっていたキャリアが反映されていますね。

久保木さんの作品は透明のアクリル板を使っているので、シルエットの面白さがあるんですよね。彼女の作品を以前enocoの展覧会で見たのですが、でかい作品にライトを当てて、布にシルエットが映されていたのが印象的でした。

久保木:最初は意識していなかったのですが、平面作品として制作していたのですが、角度を変えたり、ライトを変えたりすると見え方がどんどん変わってきて、この作品の持つ「ゆらぎ」や「もろさ」みたいなものを展示しながら意識するようになりましたね。

池田:どうやってつくってんだろうと思ってたんですが、現物見てはじめてわかりました。集めたくなりますよね。展示する台までこだわってるのがいいですよね。

ぜひ本物を見てほしいなと思います。ありがとうございます。



TAKEUCHIATSUSHI
シンプルな線と少ない色で主に人物を描く。イラストはその時描きたいと思ったものをモチーフにする。広告、書籍、アパレルなどにイラストを提供。個展ではキャンバス作品やポスター、レコードジャケットにイラストを描く”EMPTY JACKET”と題した作品をメインに展示。


ここからは池田さんキュレーション作家の紹介です。池田さんお願いします。

池田:takeuchiastusi さんは、今回は原画を展示しています。人気のイラストレーターで、G-SHOCKとかヘンリーハンセンとか、アースミュージックエコロジーなどのブランドコラボや商業施設の壁画とかシンプルな線画にワンポイントで赤とか、青とかを使う画風が特徴で、線で勝負するような感じですね。センスの良い作家で、バランス感がいいですね。家も近所でよく会うのですが、ピースな感じで人柄がイイ。今回はニューヨークのストリートベンダーをテーマにしています。レコードベンダーとかフラワーベンダーが実際にあるのかどうかわからないんですけど。彼なりのイメージで描いてます。



TAKEUCHIATSUSHI「FOOD VENDOR」


池田:金井淳さんは、普段展示はほぼしないイラストレーターさんです。普段はテレビ番組や子ども本の挿画などでかわいいイメージのイラストを描いて活躍しておられる作家さんです。久々にコンタクトして原画を展示してもらいました。関連があるかどうかわからないんだけど、何かドラマチックなものを感じさせる構図の作品です。シンプルな線とかわいいモチーフがセットになっていて素敵な作品となっています。





金井淳

会社員として働きながらイラスト、絵本などを描き続けていた日々を経てイラストレーターとして独立。横浜、東京などで個展を開催するなどアクティブに活動の幅を広げながら、 現在は笑顔でコミュニケーション出来るイラストをモットーに書籍、雑誌媒体で活動中



金井淳「One day girl」




仁太郎
シンプルなラインでダイナミックに構成された画面と、グラデーションを用いたキャッチーな色使いが魅力のイラストレーター。商業施設のシーズンビジュアルや離島での壁画アートなど


池田:最後は仁太郎さんです。彼の作風がいいのとコミュニケーション能力が高いので今回参加してもらいました。

仁太郎:普段はイラストレーターとして仕事をしているのですが、今回池田さんのオファーで原画を描いてきました。 真ん中の二つは1年前に描いた作品で、直線だったり綺麗なカーブを意識しながら個人的な記憶や思い出、理想を描いたんですけど、新作はもっと自分らしい絵に挑戦しようと思って、線も直線的ではなく、線を歪ませたり、自由にしてみました。エアブラシという小さなスプレーを使って描いてます。

池田:グラデーションが綺麗ですね。

仁太郎はい、新作はエアブラシだけでマスキングして、筆は使ってません。



仁太郎「Summer Noise」
https://chignitta.thebase.in/items/74321639


この絵、キャンプに行って蚊に噛まれたんだよね。笑。

仁太郎:池田さんから「夏っぽい作品どうかな」と言われたので、こんな絵になりました。あんまり夏を全力で楽しんできた人生ではなかったので。笑。 僕は基本インドア派なので、あんまりかっこいい風景は描けなくて、この絵のようにクーラーが効いた部屋でのんびりしてる自分を描いてます。



仁太郎「Lazy Day」


この絵も靴下に穴が空いてる。笑。そんなシャレが好きなんだよね。 仁太郎:そうですね、今まではかっこいい生活が描けたらいいなと思っていたんですが、個人的にはだらしない人間だし、そんなユーモアも出せたらと思っています。 池田:真ん中の作品がインスタでもAORのジャケットみたいで好きだったんです。どうやって描いているのか気になったので原画を見てみたいと思って 仁太郎:今後イラストレーターを続けていく上で作家と絵がマッチするような絵を描きたいと思って新しいものに挑戦してみましたですが、いかがでしょうか。 池田:まめに電話してくれて相談受けたりしてその辺も彼らしいですね。 仁太郎:イラストレーターとして2、3年働いてるんですけど、いまだ揺れ動いている時期です。絵で食って行きたいというのはあるんですけど、どういう絵にして生きていこうかと考えている時なので、そんな絵の変化も一緒に楽しんでくれたらいいなと思います。(拍手) 楽しいグループ展になりましたね。ぜひ会場で原画をご覧ください。本日はありがとうございました。 ※インタビューで紹介した作品はオンラインでも購入できます。キャプションのリンクからどうぞ。 https://chignitta.thebase.in/








会場までのアクセス: 御堂筋線・四ツ橋線 本町駅28番出口から北に徒歩5分、四ツ橋線 肥後橋駅7番出口から南に徒歩5分


新型コロナウィルス感染対策に関するお願い:


・発熱、体調不良の方のご来場はご遠慮ください。 ・皆様に安心してご来場頂けるようスタッフの指示にご協力をお願いします。


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